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整形外科  緒方 宏臣  


 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨の量が減ってスカスカになり、骨折をおこしやすくなっている状態のことをいいます。
 骨は一度つくられると変化しないようにみえますが、実際は絶えず新陳代謝を繰り返し、古い骨を壊し、新しい骨に作り変えているのです。これを骨代謝といいます。

 ところが、カルシウムの摂取が不足したり、骨をつくるためのホルモンが不足してくると、骨をつくる量よりも骨をこわす量のほうが多くなります。こうして骨からカルシウムが徐々に減り、骨がスカスカになっていきます。
 骨粗鬆症は閉経期以降の女性に多くみられます。私たちの骨は18歳ごろをピークに、年をとるごとに少しずつ減っていきます。骨粗鬆症にならないように、日ごろから予防を心がけることが大切です。骨粗鬆症を予防し、骨を強くするための三原則は、食事・運動・日光浴です。まず第一にカルシウムを多くとるように心がけましょう。

 カルシウムは乳製品や大豆製品、小魚などに多く含まれています。カルシウムは吸収されにくい栄養素ですが、良質のたんぱく質やビタミンDを多く含む食品といっしょにとると、吸収がよくなります。適度な運動で骨が刺激されると、体内に入ったカルシウムが有効に使われ、骨量が増えることがわかっています。
 散歩やゲートボールなどの趣味の範囲で十分です。運動を続けることによって、体の筋肉がきたえられ、身のこなしがよくなると、転びにくくなり、骨折の防止にもつながります。カルシウムの吸収に欠かせないビタミンDは、人間の皮膚が日光の紫外線を浴びることでつくられます。ですから日光浴は骨粗鬆症の予防にとって大切です。もっとも赤く日焼けするほど浴びる必要はありません。夏なら木陰で30分、冬なら手や顔に1時間ていどの日光浴で十分です。

 骨粗鬆症は骨の量を測ることが検査の中心です。骨密度(こつみつど)測定ともいわれます。若いとき(20〜44歳)の平均骨量の30%以上の減少を骨粗鬆症と診断しています。女性では50歳くらいから骨量が低下し始めます。閉経後は1年に1回ずつ測定するとよいでしょう。男性は寝たきりが長かったり、胃腸・腎臓障害などがなければ、70代までは測定の必要はありません。当院においても、毎週金曜日に骨密度測定をおこなっていますので外来にて御相談下さい。

 高齢社会では、お年寄りのQOL(キュー・オー・エル=生活の質)が重要です。せっかく長生きをしても、寝たきりでは何にもなりません。寝たきりの原因の第1位が脳卒中、第2位が老衰、第3位が骨粗鬆症による骨折であることから、高齢社会が抱える問題の一つとなっています。
 人間の骨は,容易には骨折しない構造となっています。ところが,骨粗鬆症にかかると,ちょっと転んだだけで骨折することがあり、当院でも高齢者の大腿骨頚部骨折や脊椎の圧迫骨折が年々増加しており、骨折後の歩行能力低下等、大きな問題となっています。
 みなさん、健やかな老後のために骨粗鬆症の予防に努めて下さい。