ホーム > 健康講座 > 健康のお話 > 屋内に生息するダニとその害について







  小児科  佐藤 歩  


 もうすぐ梅雨の時期、そして蒸し暑い夏がやってきます。ダニは高温多湿なこの時期を好み、屋内で大発生し、時にそこに住む人間に健康被害をもたらすことがあります。



 刺された当初は何も症状がありませんが、数時間から2日ほどたってから赤く腫れてかゆみが生じ、刺し口がかさぶたのようになります。なおるまでには一週間程度かかり、その後もしばらく跡が残ります。
夏場に問題となるものの多くは、肉食で他の種類のダニを食べるツメダニによるものです。他にも、普段はネズミに寄生しているイエダニなどが人を刺します。



 屋内の塵やホコリのなかには、ヒョウヒダニなどのダニがいて、人のフケなどを食べて生きています。ダニアレルギーの素因をもつ人では、このダニの死骸や糞などを吸い込むことにより、喘息や鼻汁・流涙などの症状が出現し問題となります。症状は夏場に限らず、一年中みられます。



 畳や戸棚にダニが大発生し、一面に白く粉を吹いたようになって騒ぎになることがあります。原因となっているのはコナダニが多く、ヒョウヒダニのこともあります。
これらのダニは、食品、特に小麦粉などの粉製品にも条件が合えば大発生します。ダニアレルギーの素因がない人であれば、食べても大きな問題はありません。
しかし、熊本県下でもここ数年、ダニアレルギーのある人が、ダニが大繁殖した粉を使って作った料理(ホットケーキ・お好み焼き等)を食べて、のどが腫れたり、ひどい喘息が起きたりして呼吸困難となった症例が少数ですがみられています。こうなると命にも関わるため、注意が必要です。



 ダニ専用殺虫剤は様々なものが出ていますが、ダニの種類によっては効果がなかったり、薬剤がダニのいるところまで届かなかったりすることもあります。掃除機を念入りにかける、風通しを良くする、エアコンや除湿剤を使用し湿度を下げる(ただし喘息ではエアコンが症状を悪化させることもあります)、洗濯や天日干しを行うなどして、ダニの駆除に努めましょう。また、畳の上にカーペットを敷くのはダニの温床になるのでやめましょう。喘息の場合には布団のダニの駆除も重要ですが、天日に干したあとで布団たたきをすると、奥の方のダニが表に出てくるので、掃除機をかけた方が良いようです。
 食品に関しては、小麦粉のように数ヶ月も保存するものであれば、開封後は輪ゴムで留めるなどでは不十分です。密封容器に乾燥剤を入れて保存する、冷蔵庫に入れるなどするとダニの繁殖を防げます。

 それでもアレルギー症状がなくならない場合には、普段から抗アレルギー剤などの薬物治療が必要かもしれませんので、病院で御相談ください。
 ダニアレルギーのある人はもちろん、ない人にとってもダニの多い場所というのは気持ちの良いものではありません。環境を整え、健康で快適な夏を過ごしましょう。