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  呼吸器内科  和田 正文  


 アレルギー性鼻炎は、よく知られた病気の一つであり、患者数は未だ増加を続け、人口の10〜15%と考えられています。増加の原因は、住宅環境の変化により室内温度・湿度が快適に保たれる様になった反面、通気性が悪くなり、ハウスダストがたまりやすく、ダニが繁殖しやすくなったことなどのほか、現代生活特有のストレスの増加や栄養のアンバランス、大気汚染などか考えられます。

 昨年の空梅雨と猛暑でスギの花芽が大量につき、飛散量は過去最大級になり、平年の2〜2.5倍、少なかった昨年の10〜30倍と推測されています。7月〜8月初めの日照時間が影響し(昨年は全国的に平年の1.4倍以上)さらに、前年に花粉飛散量が少ないと2年分が一度に開花する形になり、今年は条件がそろってしまい花粉の多い年です。今まで花粉症でなかった人も新たに発症することもあり、注意が必要です。スギ花粉が1月〜5月、ヒノキ花粉が3月〜5月です。

 アレルギー性鼻炎は、くしゃみ・鼻水・はなづまりが三大症状です。他に目のかゆみ、涙、充血、皮膚のかゆみなどです。通年性(一年中、ダニ・ハウスダストなど)、季節性(花粉症)に大きく分けられます。ある物質(たとえばスギ花粉、これを抗原と呼びます)を体に受け入れられない人がいます。抗原が鼻に入ってくると、くしゃみで追い出し、鼻水で洗い流し、鼻づまりで中に入りにくくします。これがアレルギー反応であり、目的にかなった反応ですが、不快な症状となります。原因となる抗原は、日本ではハウスダスト(ダニ)が最も多く、次にスギ花粉、その他にはカモガヤ花粉、ブタクサ花粉、カビ(真菌)等があります。

 鼻鏡検査(鼻の粘膜が白っぽくはれあがり、鼻水をみることができます)、鼻水の中の好酸球を証明、血液検査などで抗原の有無を調べ、診断します。症状に応じて、アレルギーを抑える薬や鼻用の吸入などが処方されます。アレルギーを抑える薬は、眠気を誘う薬がありますので、車の運転など気をつけてください。一番大事なのは、抗原の除去と回避です。まず、どの物質に抗原があるのか知る必要があります。抗原が鼻に入る量を減らすことは治療の第一歩で、患者さんにしかできないことです。



@室内の掃除には排気循環式の掃除機を用い、1回20秒/uの時間をかけ、
 週に2回以上掃除する。
A布製のソファー、カーペット、畳はできるだけやめる。
Bベッドのマット、布団、枕にダニを通さないカバーをかける。
C部屋の湿度を50%、室温を20〜25℃に保つように努力する。
D空気清浄機の使用(フィルターもこまめに掃除)



@花粉情報に注意する。
A飛散の多いときの外出を控える。
B飛散の多いときは、窓・戸を閉めておく。
C飛散の多いときは、外出時にマスク・メガネを着用する。
D外出時、毛織物などのコートは避ける。
E帰宅時、衣服や髪をよく払い入室する。洗顔、うがいをし、鼻をかむ。
F掃除を励行する。



@できれば飼育をやめる。
A屋外で飼い、寝室に入れない。
B飼育環境を清潔に保つ。
C床のカーペットをやめ、フローリングにする。
D通気をよくし、掃除を励行する。


 最後に、どの抗原にアレルギーがあるかを知るのが重要です。抗原はスギ花粉、ダニ、ハウスダストだけとは限りませんので、くしゃみ、鼻水、鼻づまりがあるときは、近くの耳鼻咽喉科に受診されてください。また、結膜炎や気管支喘息、蕁麻疹なども合併するときもありますので、各専門医に相談されてください。